中谷宇吉郎雪の科学館

中谷宇吉郎雪の科学館
設計:磯崎新
竣工:1994
場所:石川県加賀市

加賀市の柴山潟のほとりにある。出張ついでに見てきた。
小さい建物だが、結晶をモチーフにしたような六角形の小さな塔が3つ連なっている。外からみると土壁の塔だが、中に入るとトップライトが白壁に反射して眩しいくらい劇的だった。そこから下に降りると展示室だが、展示室は普通の感じがした。
それ以上に、世界で初めて人工的に雪の結晶を作り出した、中谷宇吉郎の研究内容が面白かった。
雪の結晶ってよくみるアレですよね、以外にものすごいたくさんある事を知った。また氷点下なのに凍らない過冷却水の実験などをしていた。マイナスなのに水が凍らない状態をキープしていて、何かの拍子に急に凍りだすというものである。かき氷などに応用したら、バカ売れしそうな気がするがどうだろうか。売れたら売れたで大変なのだろうか。

立教小学校

立教学院諸天使礼拝堂(立教小学校チャペル)
設計:アントニン・レーモンド
竣工:1966年

レーモンドの建築が好きで、関東に行く機会があれば見てまわっている。フランクロイドライトの弟子として来日し、そのまま日本を主な舞台として活躍したレーモンドは、コルビジェらが活躍するヨーロッパから遠く離れた場所で、地域性にも配慮した素晴らしいモダニズム建築を多数作り上げた。木造、コンクリートを使った構造表現で、世界最先端を突き進んでいたとも言われているが、当時の日本で世界的に評価されることは時代背景を考えるとなかなか難しかったであろう。

立教小学校の遠山先生との縁で、普段は見学できない立教学院諸天使礼拝堂(小学校内チャペル)を見る機会を得た。
RCの登り梁が内部では現しになっているが、他のレーモンド教会郡と同様、感じるのは構造の力強さよりも空間の静謐さである。簡素な木造の札幌ミカエル教会もRCの大空間も、理論的な工法や構造などよりも、感覚的な部分に静かに訴えかけてくる。
しかし美しい祈りの空間を作り出すこの感性の持ち主も、当時のたくさんの建築家や芸術家と同様、第二次大戦の影響からは逃れられない。ユタ州での日本爆撃実験で日本家屋の設計を担当したことが、戦後もどこかレーモンドに影を落としている。

遠山先生が書いた校内報で、大岡昇平の作品について触れている文章があったので、「野火」と「俘虜記」を読んでみた。小林秀雄、中原中也とも交流があり、フランス文学者でもある大岡の文章は、戦場における大岡自身の内部へと心理が向かっており、どこか哲学的でもある。文章が僕にとっては難解な部分もあるので、すべてを理解しうるかは謎だが、主人公がアメリカ兵を打たなかった後、自身の心中に対する考察において用いた歎異抄からの引用「わがこころのよくてころさずにあらず。また害せじとおもうとも、百人千人をころすこともあるべし」という一文が心に残った。自分が大戦中を生きていたら、果たしてどのような行動を取ったかを、今の時代から遡って考えることは不可能だろう。
終戦から73回目の8月15日を迎えた。戦争を経験している人が、だんだんと亡くなっていき少なくなっているが、聞けるうちに話を聞いておきたい。

家具

9月に発売される新作家具の商品撮影が天王寺であった。
graflaboの水谷さんが綺麗に仕上げてくれた。
ノックダウン式のコートハンガーだが、L字の部材2つと平板1枚が組み立がると立体的に変化するというのが、コンセプトのひとつ。L型の部分も細かいあられ組にしたら強さがでた。
家具設計は、見た目の形状や、使い方などのプログラムだけではなく、製造のエンジニアリングという部分も含めて、デザイン試作製作し、またそのあたりを整理していけば、性能強度や形がダブつかなくなると思う。
少し前に発売された、現在第一線で活躍しているベテラン家具デザイナーの本を読んだが、素材や工法に対する知識が豊富で、形をまとめあげる造形力と一体的になって作品にあらわれていた。

湯河原

先週、祖母に会いに湯河原ゆうゆうの里に行ってきた。
去年の花火大会は悪天候で中止になったが、今年は無事に開催された。
花火自体は一昨年よりさらに進化したそうだ。りんごの輪切りのようなマークをした花火が多かった。向きがあっちを向いたり、そっちを向いたり。

テスラ

グランフロントに寄ったら、中庭でテスラの展示試乗会をしていた。
テスラ車を生で見るのは初めてだったので、じっくり見てみた。
エッジや面のラインが整っていてすごい綺麗だな〜と思った。こういうのデザインする人ってどんな人なんだろ。やっぱり普段は神経質な感じの人なんだろか?
一生所有することもなさそうだし、せっかくなら試乗でもしてみればよかった。
初めて生で見たと言ったが、実は駐車場とかで見たことある。

たぬき

小松島のデケえ狸の銅像を知ってるか?
その前で、2,3回手を大きく叩いてみな。とんでもねえことが起こるぜ。
何が起こるかって?それはお前が自分の目で見て確かめるんだよ。

まいったなー、おれ、忙しいのになー。

そんなわけで、人に言われて行ってきました小松島!!
いままで小松島の事なんて、たいして考えた事もないけど、映画「平成狸合戦○んぽこ」の舞台になったと言われているだけあって、よく見ると狸の置き物や看板がいたるところに目に付く。
肝心の狸の大きい銅像は公園の中にバーンとある。かなり大きく5メートルはあるのではないか。

僕は銅像の前でさっそく手を叩いてみた。別に何も起こらない。
狸から20メートルほどの近さに、夏休みの中学生男女10人と5人の警察官が言い争いをしている。
「タバコを出せ!」とどなる警察官に、「知らねーよ!!」とツバを吐く男子中学生。泣き叫ぶ女子中学生とセミの声が、真夏の公園に響き渡る中、僕は必死で手を叩き続けた。

「最後の夏、、、」
というフレーズが頭をよぎったその時!!!
「何しているんですか?」と一人の警察官が僕のところに来て、質問してきた。
知らねーよ、ぺっ!!

夕焼け

事務所の西側にタワーマンションが建設中。
屋上から夕日が見えなくなった。。。。
しかし、事務所を作り始めた5月から、タワーマンションは建設中だったので、実は最初から夕日は見えない。
そもそも、普段屋上に行くことなどめったにない。

総湯

片山津温泉 総湯
石川県加賀
設計:谷口吉生

美しかった。
のぼせたので、あまり覚えてない。
RCでできた2つの浴場部分をガラスの箱がつないで相似形のプランになっていたような気がするけど、細かい事はビールを飲んで忘れました。
「森の湯」と「潟の湯」の2種類あり、男湯と女湯が日によって入れ替わるらしいが、僕は2回目なので両方に入れた。
「森の湯」は湯船から中庭の風景が見えて綺麗だが、「潟の湯」のほうが前面に柴山潟が広がる絶景なので、僕も好きだし人気も高いと思う。
だが、Jポップなどは持ってのほか、大衆的な向きを嫌う貴兄においては、森の湯に入るがよかろう。

ガタンゴトン

汽車で穴吹まで行って、建築家の高橋利明さんと一緒に進めている什器デザインの打ち合わせにいってきた。
徳島はJRのことを電車とは言わずに汽車という。初めて聞いた人はデゴイチ的な汽車ポッポを思い浮かべると思うが、もちろんそんな事はない。
電気ではなくディーゼルで走っているだけだ。
なぜ電車じゃないのかホームページで調べてみたら、四国ではユダヤ教がどうの、失われたアークがどうとか、電力自由化でなんちゃら、西荻窪阿佐ヶ谷高円寺には停まりません、と何が真実なのかはわからないらしい。

徳島線に乗ったのは10年ぶりくらい。吉野川と平行して走る、それはそれは美しい路線です.